2013-12-08

『キリム展』

12月に入り一段と風が冷たくなりました。背中を丸めて外出する毎日です。お家にこもって、ぬくぬくしたくなっちゃいます。

萬器の2階カフェ風姿では、『キリム展』が始まりました。
オールドキリムや、その生地で作られたクッションカバー、バッグ。そして、あたたかみのあるギャベのラグや座布団などが並びます。

キリムやギャベは、東アジアや中央アジア、中東の遊牧民が昔から生活の為に作り、使ってきた織物です。

近年は遊牧民が激減しているためオールドキリムは希少価値。独創的で力強い幾何学模様は素晴らしい芸術品です。

一方ギャベは、とてもほのぼの。ギャベのモチーフは遊牧民の目に毎日映る風景です。遠くに見える山や川、そこでのびやかに暮らす羊や馬が織り込まれています。

どちらも遊牧民の生活に欠かせないものでした。キリムは、敷物はもちろん、壁の装飾、食糧の保存、衣類の収納、ときには赤ちゃんのゆりかごにも使われてきました。ギャベは、寒暖の差が激しい気候に対応するため、冬は温かく、夏でも快適です。

機能的なだけじゃなく、質素な生活のなかで、思い思いの柄を織り込んで暮らしに彩りや潤いを与えてきたのでしょう。まさしく、用の美。昔の人には本当に頭が下がる思いです。そんな世界の宝を私たちは大切に伝えていきたいものです。

膨大な時間と手間をかけて作られています。だから本当に丈夫で、使い込むごとに味わいが増し、表情豊かに変化していきます。また、植物や果実など、大地の恵みだけで染め上げられているので、身体に優しく、お子様にも安心です。

たくさんの家族の時間を染み込ませて、また次の代へと大切に引き継いでいって欲しいと願います。


スタッフ 岡田